こんにちは。ADHD傾向のあるフリーランス・30代男性の筆者、艶派手(アデハデ)です。
この記事では、スキマバイトアプリ(とくに「タイミー」など)を実際に使ってみた体験をもとに、ADHDの特性を持つ人が働くうえで気をつけたいポイントや、失敗を防ぐための工夫をお伝えしていきます。
- はじめに:ADHDの人が「仕事」でつまずきやすい本当の理由
- 【筆者の実体験】正社員として「空回り」し、メンタルが限界を迎えた話
- 【アルバイト編】バイトにも「向いていない仕事」が多い
- そこで!「スキマバイト」が発達障害者への光明になる可能性
- ADHDの人がスキマバイトを使うメリット
- ADHDの人がスキマバイトを使うデメリット
- ADHDがスキマバイトを失敗しないためのコツ【注意点】を体験談を交えて解説
はじめに:ADHDの人が「仕事」でつまずきやすい本当の理由
まずは大前提として、「ADHDの人が仕事で何に悩み、どこでつまずきやすいのか」をしっかり確認しておきたいと思います。
ADHD(発達障害)の傾向がある人は、得意なことと不得意なことの差が大きく出る傾向があるとされています。そのため、職場では「見えないハンディキャップ」を抱えやすく、一般的な仕事に馴染みにくい場合も多いのです。
【実例】ADHD傾向の人が仕事でつまずきやすいポイント
- 指示の聞き漏らし・覚え違い
- 一度に複数の指示を受けると混乱しやすい
- 注意がそれやすく、重要な情報を聞き逃してしまう
- メモを取らないとすぐに忘れてしまう
- 段取り・手順のミス
- 作業の順序がバラバラになってしまう
- 単調なルーティンでも飽きや注意力の低下で抜け漏れが起こる
- 時間管理が苦手
- 出勤や休憩からの戻りが遅れることがある
- 作業の配分をうまくできず、時間切れやオーバーワークに
- マルチタスクに弱い
- 複数作業が重なるとパニックに
- 優先順位が立てられず、重要でないことに時間を使ってしまう
- 人間関係での誤解や衝突
- 空気を読むのが苦手で、場に合わない発言をしてしまう
- 焦りや苛立ちが顔に出て誤解されることも
- 集中力の維持が難しい
- 興味のない作業にすぐ飽きる
- 職場環境に気が散る要素があると著しくパフォーマンスが低下する
- 急な変化への対応が苦手
- 突然の配置換えや業務変更に対応できない
- 手順が頻繁に変わる職場では混乱しやすい
- 自己肯定感の低下
- 小さなミスの積み重ねで「自分だけできない」と感じやすくなる
- 評価を気にしてストレスをためやすく、社会不安障害などの二次障害に繋がることも
ここまでを読んで、「あ、これ自分に当てはまるかも…」と改めて思った方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみに筆者自身、これらの要因が積み重なり、職場で大きな壁にぶつかりました。このあと、その実体験を通じて「どうすれば社会と上手に付き合えるか」を探っていきます。
【筆者の実体験】正社員として「空回り」し、メンタルが限界を迎えた話
筆者は大学卒業後、一般企業に正社員として入社しました。
配属されたのは希望していたWeb系の職種で、やる気に満ちたスタートを切ったつもりでした。
しかし現実は甘くありませんでした。
日々求められたのは、高いコミュニケーション能力やスケジュール管理能力、上司への報連相、チーム内での根回し力など。
そして、それらのスキルが「即戦力として当然のように求められる」環境でした。
ところがこれらは、ADHD傾向のある自分にとって、まさに“苦手の詰め合わせパッケージ”。
結果として、実務が回らず、空回りばかり。
精神的にも消耗してしまい、わずか2年足らずで退職することになりました。
【診断】WAIS検査でADHD傾向を指摘された
ちなみにこのとき私は初めてクリニックを受診し、「WAIS検査」(知能検査)を受けました。
その結果、「IQの中で項目のバラつきが大きく、ADHD傾向がある」と診断されました。
たしかに、学生時代から対人折衝や自己管理はずっと苦手でした。しかし、まさかここまで社会で通用しないとは…全く思っていませんでした。
この体験から得た教訓「ホワイトカラー正社員に求められるスキルとADHDの特性には、大きなギャップがある」
この経験を一言でまとめると次のようになると思います。
「現代のホワイトカラー正社員に求められるスキルと、ADHDの特性には、大きなギャップがある」
- 高いコミュニケーション力
- 自己管理スキル
- 曖昧な空気を読む力
- 上司や同僚との綿密な連携
こういったスキルが求められる環境は、ADHD傾向のある人にとっては「苦しい職場」になりやすいと言えるでしょう。
【アルバイト編】バイトにも「向いていない仕事」が多い
正社員を辞めたあと、私はしばらくの間、転職をあきらめてアルバイトで食いつなごうとしました。
しかし、求人サイトをどれだけ眺めても、出てくるのは次のような職種ばかりです。
- 接客(飲食店、コンビニ、コールセンターなど)
- 作業系(ピッキング、梱包、シール貼りなど)
- 肉体労働(引っ越し、イベント設営、ごみ収集など)
アルバイトってADHDの人にとってハードル高くない?場合によっては正社員よりも
実際にそれぞれ挑戦してみましたが、感じたことを正直に述べると――
- 接客業 → 社会不安障害の影響で対人の緊張が強く出てきてしまった
- 作業系 → 手先が不器用で苦手意識が強い(動作性が低い)
- 肉体労働 → 体力的な不安と、そもそも動作が鈍くて向いていない
もちろん、アルバイト市場に「接客」「作業」「肉体労働」の案件が多いのは、社会の構造上当然のことです。しかしそれらがADHD傾向のある人にとってはホワイトカラー正社員よりもミスマッチになることがあるというのもまた、事実です。
私は「じゃあやっぱり、頭を使う系の仕事の方が向いてるのでは?」と考えましたが、
かのオフィスワークの忌まわしい記憶が蘇り、なかなかそちらにも踏み出すことができませんでした。
「自分に合った仕事や居場所なんて、この社会には一つもないのでは…?」
このとき私は、本気でそう思い詰めていました。この状況は苦しかったです。
きっと同じ想いをしている発達障害者の人が大勢いるのだろうというのが、ここまでで私が言いたかったことです。
そこで!「スキマバイト」が発達障害者への光明になる可能性
さてそんな中、2018年にスキマバイトサービス「タイミー」が開始するなどして以降、ここ数年で日本では「スキマバイト」サービスが一気に普及しました。筆者はこれが、ADHDをはじめとした発達障害を持つ人にとって光明になり得るのではないかと考えているのです。
なぜなら、発達障害者はこれまでの失敗体験から「仕事で失敗して迷惑を掛けたら申し訳ない」「また周囲から失望されたらどうしよう」「仕事を始める手続きが煩雑でできるか不安」などといった恐怖心で、仕事のチャレンジを諦めてしまうことが多いからです。
スキマバイトは手軽に始められて、単発の扱いなので合わないと思ったらすぐに辞めることができます。スキマバイトをやることによって何かにがんじがらめになったり、取り返しのつかないネガティブな体験を引き起こしてしまうリスクは、限りなく少ないでしょう。だからこそ、発達障害者は従来のアルバイトや正規雇用よりもアグレッシブに、スキマバイトに挑戦できると思うのです。
ADHDの人がスキマバイトを使うメリット
続いて、ADHDの人がスキマバイトを使うメリットを筆者の実体験を基に考え、挙げたいと思います。
気軽に始められ、いつでも辞められる
これは先ほども述べたことですが、ADHD傾向の人にとってスキマバイトの何よりのメリットは、「気軽に始められて、いつでも辞められる」ことだと思います。
例えばADHD傾向の人の中には、履歴書を清書したり正装したり面接を受けたりすることが苦手な人が一定数います。そういった人にとって、履歴書不要でエントリーするだけでほぼ確実に就業できるスキマバイトは、ありがたいと思うはずです。また筆者は実体験として、普通のアルバイトに求人サイトから応募した際に派遣会社への登録が媒介し、なんだかんだと言いくるめられて希望の案件への就職が阻害された(いわゆる”釣り広告”に相当する)ことが複数回あるので、希望した職に就けないことがほぼないスキマバイトはとても魅力的だと感じました。
さらに先ほど述べた通り、案件は単発(1日単位)で終了し、シフト制ではないので、複数日にわたって拘束されることはありません。現場でみだりに定職へ勧誘されることなどもないでしょう。よって、あらゆる”しがらみ”を感じることなく、気軽にチャレンジをすることができるのです。
失敗しやすい、適性を推し量れる(怖がらずに挑戦し、自信が付けられる)
毎回新しい環境で、新しい仕事内容に従事するスキマバイトでは、最初から高いレベルの職務遂行や責任を求められることはほとんどありません。さらに文字通り様々なことにチャレンジできるわけですから、得手不得手のギャップが激しいADHD傾向の人でも、臆することなく様々な仕事に挑むことができるでしょう。これによって、自身の職業適性やこれまで見つけられなかったスキルが新たに発見でき、以前よりも自信が付くかもしれません。筆者も実際にさまざまな職種にチャレンジしました。カフェのパッシング(お膳下げ)のスタンプをやってみて”やっぱり食器を扱うのは不器用で向いていないかもな…”と不得手なポイントを再確認したり、宿泊施設やレジャー施設の受付のスタッフをやってみて”意外とマルチタスクやお客様の案内ができるんだ!”と若干の自信を付けたりすることができました。
スタッフ同士の対人折衝が少ないことが多い
一緒に働く現場のスタッフの皆さんとの雑談は、普通のアルバイトよりは少ない傾向があると筆者は感じています。具体的にはあるカフェバイトのキッチンにて、普通のアルバイトスタッフ同士の雑談に、スキマバイトとして出勤している私はあえて参加しなかった(身の上話だったので空気的に)ということがありました。プライベートな雑談などを極力したくない人にとっては、スキマバイトは適しているかもしれません。
さらに押し広げて言うと、仮に仕事内容で失敗したとしても現場のスタッフとはその場限りの関係なわけですから、”失敗すること”に敏感になってしまいがちなADHD傾向の人でも、周囲の目を気にせずにそれなりに堂々としていられるという側面もあります。
但し当然のことではありますが、様々な職場で色々な人と働き続けていると、一定の確率で苦手な人と働かざるを得ないケースも出てきます(これはスキマバイトに限ったことではありませんが)。筆者も同じ現場で複数回入っただけで指導の仕方や態度・性格が全く異なる人が現場に存在していることを知り、”人生の勉強になるなぁ”と思ったことがあります。
いずれにしても、ADHD傾向の人にとってみれば、毎回新しい人間関係で働くことができることはメリットになり得るかもしれません。
毎回違う職場なら刺激が沢山ある
毎回新しい人と働くうえに、新しい場所、新しい仕事内容となると、新しいモノ好きで飽きっぽい傾向のあるADHDの人は、嬉しいかもしれません。筆者もまた、同じ業務を延々と一定の期間繰り返し続けるのは苦痛なタイプです。
片やスキマバイトでは、毎回違った仕事に取り組めるので、良い刺激が得られている実感があります。
ADHD特有の狩りをしているかのような突然の仕事入れ・現金化
これは良くも悪くもというところではありますが、ADHD傾向の人の中には、直近の日程で希望の案件の募集が掛かってそれに突如応募したりすることが1カ月間のシフトを事前に提出している状態よりも快い、という人がいるはずです。さらに、終業後にすぐに現金化することができる案件が多いのがスキマバイト。総じて、ADHD特有の報酬系の強い働きとも言うべき”狩り”をしているような感覚がみなぎることが、筆者にはこれまでよくありました。
フレキシブルに自由に働けるのは大変良いことなのですが、無計画な勤務をして身体を壊したり、お金を無鉄砲に使って困窮したりすることには、くれぐれも気を付けましょう。
ADHDの人がスキマバイトを使うデメリット
初見案件ばかりで脳のリソースを使って疲れてしまう
これはADHD傾向の人に限ったことではありませんが、スキマバイトの案件では重箱の隅をつつくように、注意事項や持ち物の記載があったりわかりにくい集合場所が指定してあったりします。これはADHDの人が苦手とする”トラップ”とも言うべきものかもしれません。また現場では全員と初対面で、設備の位置・仕組みや現場で使われている用語などは分からず、具体的な職務内容はその場で指示されるわけです。そう考えると、複雑な指示を理解するのが難しかったり、慣れない環境に強いストレスを感じたりするADHDの人にとっては、”初見案件ばかり”に従事するのは大きな負担・ストレスになりかねません。しかし、メリットの項目に書いたように、まっさらな人間関係状態や新鮮な現場・職務内容で毎回仕事に就けると考えると、ポジティブな面も浮かび上がってきそうです。
短時間案件や交通費支給なしでコスパ悪化・ほぼ稼げないケースも
スキマバイトには2時間などの短時間案件や、交通費支給なしの案件も多数あります。これらのような案件に募集してしまうと、例えば「2時間で2400円(交通費支給なし)のバイトに行ったが、往復で960円の電車賃と2時間半の通勤時間がかかってしまった」といったケースも考えられます。慌てて応募せずに、まずは募集条件や就業場所・時間をしっかりと確認しましょう。
スケジュール管理・生活リズム確保の難しさ
スキマバイトは、同じ案件の募集であっても日によって募集している勤務時間が異なることもあります。いわゆる通常のアルバイトのシフト決めよりも、時間帯の変動が大きくなることが考えられるでしょう。さらに、複数のスキマバイトサービスのアプリを併用している人も多いはず。そうなると、スケジュール管理を正しくしないとダブルブッキングを引き起こしてしまう懸念があります。スキマバイトをドタキャンすると、一定期間就業できないなどのペナルティが発生してしまうので、スケジュール管理は十分気をつけて行うようにしましょう。スマホやGoogleのカレンダー、手帳などで、一元管理することを強くおすすめします。またこれに伴って、一定の時刻に起床・睡眠・食事などをすることが難しくなるケースもあるかもしれません。幅広い意味で、スケジュール管理や生活リズムの確保をすることが大事です。
収入の不安定さ
これもADHDの人に限ったことではありませんが、スキマバイトの性質や法令上、1カ月あたりに稼げる金額には上限があります。また、いつでも希望の案件が募集されているわけではないので、希望通りに働いて稼ぐことができる保証はありません。つまり、収入が不安定であると言わざるを得ないということです。
ADHDの人の中には、自身のスキルとのミスマッチによっていわゆる定職に就くことが難しく、収入で悩んでいる人も一定数いらっしゃるはずです。そういった方々にスキマバイトが寄与すればよいのですが、スキマバイト単体で安定して身を立てていくというのは現状では相当に難しそうです。
適性のある案件の少なさ
これは意外と重要な論点なのですが、ADHD傾向のある人に適した案件は、実はスキマバイトサービスには少ないと感じます。
なぜなら、通常のアルバイトに比べればジャンルや案件数に限り、人気の案件は数十秒で埋まってしまうこともあるからです。さらにアルバイトと同様、接客系・作業系・肉体労働系に案件数の偏りがあります。またレジ打ち系や飲食ホール系などは、【経験者限定】という条件もよく付いています。それらの要素を考えると、ADHD傾向のある人が最適なスキマバイトを選ぶということは、それなりに難しいのではないかとも考えてしまいます。少なくとも案件を探すことに時間や労力を掛けすぎることには、気を付けましょう。但し、よく目を凝らしてチェックしていると、たまにマッチしていそうな案件に巡り合うこともまた事実です。
長期的なキャリアの構築の難しさ
スキマバイトを通じて得られる体験やスキルも多々ありますが、スキマバイトを続けるだけでは、一定以上の収入を得られるためのスキル・能力は開発しにくいでしょう。つまり、スキマバイトに従事するにあたっては、ある程度の目的意識が肝要になってくると思われます。「なんのために、いつまで、どんなスタイルでスキマバイトに取り組むのか」を決めることが、好ましいでしょう。
“疎外労働”感
これはADHDの人以外にも該当する話ですが、スキマバイトで現場に呼ばれている人たちはそれ以外の人たちに比べて、やや”疎外労働”感があるように感じます。詳しく説明します。
「疎外労働」とはドイツの経済学者、カール・マルクスが提唱した概念で、労働者が自分が生産した商品や労働活動から疎外され、自己の労働の成果を実感できない状態を指します。とても分かりやすく言うと、”自分の仕事がどんな形で全体に役立ってるのかわからなくてモヤモヤする状態”ということです。
職場にもよりますが、現場では例えば”タイミーさん”などと呼ばれることもあったり、十分に職場の説明を受けないまま局所的な単純作業に充てられることもあります。例えば筆者はレジャー施設で、施設全体の概要をレクチャーされることなくいきなり、入り口付近でお客様の案内対応を任されたことがありました(お客さんに次のエリアは何ですか?と聞かれたらどうしようと焦りました)。ADHDの人の中には、”本質論”を重視したり、”現場の仕事内容を完璧に理解したい”という人もいるはず。そんな人によっては、意外にもこの”疎外労働”感が気になってしまうかもしれません。但しもちろん、労働は労働ときっぱり割り切れる人ならこれがストレスになることはないでしょう。
ADHDがスキマバイトを失敗しないためのコツ【注意点】を体験談を交えて解説
それではここから、ADHD傾向の人がスキマバイトに従事するうえで失敗しないためのコツ・注意点を、筆者の体験談を交えて解説します。
【就業前に】業務内容・持ち物・集合場所・勤務時間・時給を応募する前に本気でチェックする
まず案件に応募する前に、次の点をよくチェックしましょう。
- 業務内容
自分が希望しているものと合致しているか - 持ち物
必要な持ち物を、就業時刻までに揃えることができるのか、またそれに費用が掛かりすぎないか - 集合場所
自宅から遠すぎたりアクセスが悪い場所ではないか、わかりにくい場所なら詳細にチェックを(案件のプロフィール画像に図示してある場合もあります) - 勤務時間
短時間か長時間か、耐えられそうか、交通費や通勤時間と比べてコスパが悪くないか。 - 時給(交通費を含むかどうか)
目標の収入に到達するかどうか、時給が安すぎないか。交通費を含んでいるか(含まない場合は交通費が掛かった分だけ実質的な収入が減ることになります) - 口コミ
ユーザーからの口コミは悪くないか。気になる点はないか(業務内容と違ったことをやらされたなど)。高評価率はどれくらいか(あくまで参考値ですが筆者の体感だとタイミーの場合、97%以上のGood率だとほとんどが良い環境の案件でした)。
同じ企業・現場でも、案件によって業務内容や勤務時間が微妙に異なることがあります(例えば、カフェでのレジ打ちなどメインor補助業務など)。案件の内容は正確に把握してから応募するようにしましょう。
アプリで決定確認や前日・当日確認が課されているのでチェックを!
使用するアプリサービスによって若干仕様が異なりますが、スキマバイトサービスのアプリでは次のようなタイミングで確認作業を行うことが求められています。
- 仕事決定時:紹介先決定確認(「タイミー」にはありません)
- 前日確認(就業の前日)
- 当日確認(就業の当日)
- チェックイン・チェックアウト(始業・終業時に)
+必要があれば打刻修正依頼
これらの作業を確実に行わないと、就業が取り消しになったり、給与が円滑に振り込まれなかったりするので、必ず確実に行うようにしましょう。
就業前に、持って行くものを要確認
お仕事に就く前に、少なくとも前日などなるべく早い段階で、就業時に必要なもの(持ち物)を確認しておきましょう。案件の種類によって持ち物は異なりますが、一般的には主に以下のモノが考えられます。少なくとも「ボールペン・メモ帳」と「腕時計」は必須のことが多いです。
- ボールペン・メモ帳
- 腕時計
- 黒いズボン
- 上下黒地のスーツ(下だけの場合も)
- 黒い無地の靴下
- 黒いインナー
- 黒い革靴
- ジーンズ
- 長袖のシャツ、無地や黒のTシャツ
- 軍手(滑り止め付き推奨の時も)
- 安全靴(持参の場合あり、案件によっては貸し出しも)
【家を出る前】にADHDが絶対に注意した方がいいこと
家を出る時に必須なものが揃っているか
これはその他の外出時と同様ですが、家を出る時に必須なものを完全に揃えておくことも、バイトに間に合うために極めて重要な要素です。持ち物は、大きく以下の三つに分類できると思います。
案件で指定された持ち物
まず最初に、先ほど挙げたような、案件ごとに指定された持ち物です。スーツやシャツ・シューズなどは近所ですぐには入手できないこともあるので、全部の持ち物は前日までに、必ずアプリなどで確認するようにしましょう。
指定されていないが日常的に必要な持ち物・持って行くと良いもの
続いて、指定されていないが日常的に使っているものや、あると就業先の現場で役立つものです。(水分も持ち物に記載されていないことがあるので、ここに入るかもしれません。)男女によって持ち物はやや異なりますが、家を出て現場で働き帰ってくるまでのイメージをして、その日の体調なども考慮してから、持ち物を決めましょう。なお筆者の経験ではロッカーが用意されている現場とされていない現場があったので、貴重品はなるべく持って行かないようにすること、荷物の総量はできるだけ少なくした方が良いことを実感しました。
<最低限あると良さそうなものリスト>
- スマートフォン
スキマバイトアプリのチェックインや連絡に必須のため、不可欠なものになります。 - 財布
キャッシュレスが進んだ現在必須とは言い切れない場合もありますが、日常使いするICカードや身分証明書などを入れている場合には携行することが必要になるでしょう。但し、スキマバイトの現場では十分な鍵付きのロッカーが用意されていない場合もあります。その時は、小さい財布を持って行って服のポケットやサコッシュ(携行が認められる場合)にしまうことや、敢えて財布自体を持って行かないことを、考えましょう。 - モバイルバッテリー
筆者がスキマバイトで意外に重宝したのが「モバイルバッテリー」です。実際に勤務中にiPhoneが充電切れでQRコードが読み込めず、退勤時に社員さんを困らせたことがありました。また、Apple Watchが途中で電池切れとなり、時刻がわからずヒヤヒヤした経験もありました。どちらもバッテリーがあれば防げたことです。事前のフル充電は前提として、万が一の時の「モバイルバッテリー」はぜひ持っておきたいアイテムです。 - ハンカチ・タオル
- 水筒・ボトルに入れた飲料
- ティッシュ
- ビニル袋(濡れた物・汚れた物入れに)
- 予備のマスク
- 軽食(ゼリー飲料など)
- 手鏡・メイクセット(主に女性)
- 常備薬
- 着替え(汗が出る場合や寒暖差がある場合)
- 生理用品(女性)
- 絆創膏
物理的に家を脱出するために必要なもの
これもその他の外出時と共通ですが、ADHD傾向の人によくあるのが、家を出る時になって「家の鍵」「ICカード」や「つけっぱなしだったエアコンやテレビのスイッチを切るためのリモコン」が見つからずになかなか家を出られなくなる、というケースです。実は筆者もスキマバイト案件の初現場に出勤する際に、つけっぱなしのエアコンのリモコンが見つからず、危うく遅刻しそうになりました(結局本体の手動スイッチを触って止めました)。
<最低限必要なもの>
- 家の鍵
- ICカード(定期券)
- エアコンやテレビのリモコン(稼働中なら)
これらの定位置を決めておく努力はもちろんのこと、できない場合はせめて、家を出発する2時間前に一度これらのアイテムの存在を確認しておくと良いでしょう。ADHD傾向の人は、家を出るのも一苦労という時があるのです。
身だしなみが仕事に不適切になっていないか?(服装指定・着こなしなど)
最後に家を出る前に、自分の身だしなみや服装が仕事に対して不適切な状態になっていないかをしっかりと確認しまししょう。
服装チェック
- 服にシワや汚れがないか(私服に清潔感があるか※スキマバイトなので制服は用意されている)
- 靴が汚れていないか
- 爪は短く清潔か(飲食系や販売系は特に重要)
- 制服の下に着るインナーが透けたり、派手すぎたりしていないか
- 職務内容で指定された通りの格好ができているか↓↓
<よく身だしなみ指定がなされる職種とその内容>
- 飲食店のホール業務(髪型・服や下着、爪などの規定、清潔感を伴うよう)
- イベントスタッフ(髪型・スーツ・シューズなどの規定)
- 軽作業などの肉体労働(ジーンズなどの長ズボン、長袖シャツなど身を覆うもの、安全のため)
しっかりとアプリで、服装の指定内容を確認しましょう。
髪型・髪色チェック
- 髪はボサボサではないか、寝ぐせは直しているか
- 髪色が職場の規定内か(接客系)
- ロングヘアはきちんと束ねているか※女性
- 前髪が目にかかっていないか・横髪が耳を覆っていないかなど(接客系)
清潔感チェック
- きちんと顔を洗い、歯を磨いているか
- 髭を綺麗に剃れているか(男性)
- 体臭・口臭ケアはできているか
メイク・アクセサリー(主に女性)
- メイクは職場に適しているか(濃すぎないか?)
- ネイル・マニキュアは派手すぎないか(NGの業種も)
- アクセサリーは職場ルールに沿っているか(結婚指輪以外NGの現場もある)
ADHDの人におすすめなスキマバイト案件!(★5で評価)
さてここからはいよいよ、ADHD傾向のある人におすすめのスキマバイトを、筆者が実体験を基に選出したいと思います。もちろん一口に”ADHD”と言っても症状は個々人にとって異なりますので、最終的にはご自身の特性と業務内容を照らし合わせて検討してみてください。
レジャー施設のスタッフ(★★★★☆)
まずおすすめするのがレジャー施設のスタッフです。筆者が就業したのは、首都圏にあるインバウンド旅行者も訪れるような大規模レジャー施設。施設が大きいためスタッフが大量に募集されており、大勢が分業で働くような現場でした。
良い点
- レジャー施設なので、お客様の機嫌が良く笑顔も多い(クレーム発生などは目の当たりにしたことがない)
- 大きい施設なので分業制が徹底されており、指示通り働けばしっかりと仕事が果たせた
- 筆者の就いたポジションは同僚と協働する必要がなく、黙々と働けた
悪い点
- 大きい現場のため担当スタッフによって指示や価値観がバラバラなので、やや困る時があった
- その日の配置によって職務内容がかなり変わるので不得意なポジションになるとストレスに感じるかも
- 接客なのでお客様に不意なことを聞かれたり、イレギュラーなことがたまにある
- 接客なので立ちっぱなし。6時間休憩なしのスキマバイトはややきついかも
総合的に見て、複雑なタスクをこなすことや瞬間的に機転を利かせて対応しなければならないことはなかったので、ADHD傾向の人にとっては働きやすい仕事であると感じました。
宿泊施設の受付スタッフ(★★★★★)
続いてご紹介するのが、宿泊施設の受付スタッフです。筆者が従事したのが、首都圏にあるサウナ付き休憩・宿泊施設の受付スタッフでした。仕事は受付・案内・予約管理など。意外と業務内容は細分化しているのですが、来客数が限られていることと、全てがマニュアル化されているので、大きな混乱に陥ることはありませんでした。
良い点
- 仕事内容が受付・案内・予約管理と、大別するとシンプル
- 全てがマニュアル化されていた
- 来客数が限られており、暇な時間があった
悪い点
- 実は職務内容はかなり細かく、引き継ぎされて一通りのことを覚えるのに、スキマバイトの割に時間を要した
- お客様を部屋に案内する、一部会計の操作をするというくだりがあって、接客や複雑な操作という点でかなり緊張した
- お部屋のトラブルによるクレームなどイレギュラーなことが発生して、一人で対応しないといけなかった
- ワンオペの時間があって、緊張した(緊急連絡先はあったが)
当然接客の動きが求められることもありましたが、接客業の中ではその時間量は比較的少なかったように思います。また全てがマニュアル化されていたため、多少イレギュラーなことが起きても処理することができました。ADHD傾向の人は「受付」と聞くと難しそうでドキッとするかもしれませんが、世の中には色々な”受付”の仕事があることを理解していただくと、少しは「受付」の仕事に興味が湧くのではないでしょうか。
イベント(コンサート)スタッフ(★★★★★)
続いてご紹介するのが、イベント系のスタッフです。筆者は具体的に、都内の会場でコンサートスタッフに従事しました。
良い点
- 大量採用されているので、配置の際に一人に大きな責任や負担がのしかかることはなかった
- 会場での案内やチケット受付など、接客の中でも比較的シンプルな業務に携われたので気が楽だった
悪い点
- イベント会社に登録させられて、事前の確認連絡などをアプリとは別に行わなければならず、面倒くさかった
- スーツの服装規定があるので、用意がやはり面倒くさかった
- 業務延長も入れて6時間以上働き、立ちっぱなしでとてもきつかった
- イベント系によくあることだが、時給がとても安かった
サンプリング・ポスティング作業(★★★★☆)
続いては「サンプリング」や「ポスティング」の作業です。筆者はどちらも行いました。サンプリングは街中でチラシやポケットティッシュなどを配ることで、ポスティングは一般の住宅などのポストにチラシを撒くことです。
良い点
- 一人で作業をすることが多く、目標遂行のために集中して過ごすことができた
- ポスティングは特に良いウォーキングになる
- サンプリングは人と接するのが一瞬、ポスティングは基本人と接さないので、対人折衝の場面が少ない
悪い点
- 一人での作業だと実績が明らかになるため、配った数が少ないと落ち込んでしまうことがある
- サンプリングは受け取ってもらえなかったり嫌な顔をされたりすると、やや落ち込む
- 悪天候や猛暑の時がしんどい
- チラシお断りの文言を張っているところも多く、チラシを入れるべきかの判断を誤りそうになる
- 住人や管理人に警戒されることもあり、建物に近づくとハラハラする
総合的に見ると、複雑なタスクはなく対人折衝は少ないため、ADHD傾向の人にはやや向いている仕事ではないかと感じます。他方で間接的な接客とも言うべき性質もあるためその点では気を張るほか、配った実数が納得のいかないものだと落ち込むこともあるかもしれません。ちなみに筆者は、やや押し売りのようなスタンスの「サンプリング」はかなり苦手かもしれません(受け取ってもらうのは本当に難しいことですね…)。
カフェのホールスタッフ(パッシングなど補助)(★★★★☆)
次に、カフェのホールスタッフ(パッシングなどの補助業務)を紹介します。肝なのが、補助業務ということです。
通常のホールスタッフは、席への案内・配膳・オーダー取り・レジ打ちなどをマルチに即座にやらないといけないケースが多いです。よってADHD傾向の人にとってはやや大変かもしれないと、感じてしまいます。ゆえにせめてホールスタッフの補助業務から始めることで、ちょっとずつ、カフェのホールスタッフに挑戦ができるのではないかと思ったのです。実際にその目論見は、かなり当たりました。
良い点
- 「パッシング」と「呼び止められた時のオーダー受け」のみがタスクだったので、業務の難易度が易しかった
- 接客メインではないので、対人折衝に気を遣う場面が少なかった
- 基本的にマルチタスクではないので、業務中に1個のタスクをこなしたという安心感・達成感が積み上がっていった
悪い点
- カフェは接客に特化した場所なので、やはり対人折衝に気を遣ってしまう
- 制服の着こなしや食器類を運ぶのがちょっと難しかった
- パッシングしている最中にオーダーに呼ばれたりすると、同時に二つのことをやらないといけなくなり焦る
- 立ちっぱなしでずっと見られている意識はあるので、気を張っていたら疲れた
筆者はパッシングだけだったのに一度グラスを倒してしまったので手先が不器用だと向いていないのかな…と思ってしまいましたが、簡単に諦めずに”パッシングや洗い場などの補助スタッフ”からホールの通常業務に挑戦できるようになると、素敵ですよね。
仕分け系軽作業(★★★☆☆)
最後に、倉庫や工場での仕分け系軽作業を紹介します。
具体的には、配送物や製品などを決まった方法でベルトコンベヤーに仕分けしたり、指定の場所に移動させたりする業務になります。ちなみに「軽作業」という名目ですが、20kg近くのものを持ち上げることもあり、実際には軽いものを取り扱う作業とは限りません。
良い点
- 一人で黙々と単純作業をやることが多かったので、自分のペースで人と関わらずに働きたいというADHD傾向の人には向いているのではないかと思った
- タスク内容はシンプルなことが大半だったので、複雑な指示を理解するのが難しい人には向いているかもしれないと思った
悪い点
- 「軽作業」といっても10kg以上のものを持つこともよくあり、体力的にキツかった
- 黙々と同一作業を行うので、いくら短時間と言えども時間が過ぎるのが遅く感じた、また流れ作業なので自分のペースで休息しにくかった
- 音がうるさかったり工場系の匂いがする現場もあったので、感覚過敏の人にはしんどいかもしれないと思った
- 現場が海・川沿いや空港の近くにあったので、アクセスがとても悪かったし入り口がわかりにくかった
- 現場によっては言葉遣いなどで雰囲気が悪いところがあった
ADHDの人が特に気をつけるべき【出費】!
さて、ここからは意外にも見落とされがちな重要なテーマについてお話しします。それはスキマバイト就業時にうっかり発生してしまう、想定外の痛い「出費」です。ADHD傾向の人の中には、資金管理が特に苦手だという人もいるはず。以下に項目別に、詳しく解説します。
現場での飲料(水分)代【自販機で買うと300円することも】
バイト中に意外とウェイトを占めるのが、勤務中の水分補給に使う「飲料代」です。現場の周りに割高な自動販売機しかない、ということは、実はよくあります(逆にオフィスに安価な自販機が備わっていることもありますが、スキマバイトで初見だと把握するのが難しいですよね)。例えばイベントスタッフの場合だと、会場内の自販機でドリンクが300円以上することも…そうなると、貴重なバイトの稼ぎが大きく削られてしまいます。
また何より、熱中症が多発してとにかく暑い昨今の時代。命を守るために、飲料の内容と容量も大事になってきます。「水」だけでなく経口補水液、スポーツドリンク、麦茶などを持って行くことを検討すべきでしょう。容量も、合計500mlでは足りないことがあるはずです。
そこで、近所のスーパーやECサイトで水をはじめとしたさまざまな飲料をあらかじめ買っておき、当日仕事に持って行きましょう。そうすることで自販機で購入するよりも出費を抑えられるはずです。さらに熱中症を防ぐため、ペットボトル用の保冷ボトルなどの活用も検討しましょう。
持ち物にかかる費用(スーツ、靴、黒地のパンツ、腕時計など…)
上記の項目に挙げたように、バイトの内容によっては持ち物が指定されていることがあります。その際、スーツ、シューズ、パンツ・シャツ、下着、腕時計など、さまざまなアイテムが必要になるでしょう(これらを入手するのに著しいコストが掛かるなら、案件自体を見送ってもいいかもしれません)。いずれにしても、仕様用途などに合わせてこれらのアイテムをリーズナブルに入手しましょう。
スーツ屋さんのセール品やスーパー、ECサイトの安価なものから買ったりすることが考えられますが、今後その職種での長期就業や就活・冠婚葬祭での使用などを見込む場合にはあえて、高品質・高価なものを買うのも良いかもしれません。
また余談ですが、筆者は腕時計が持ち物に指定されるときは、「Apple Watch」を着けていくようにしています。もちろん本業は決しておろそかにしませんが、時間を確認する際に各種通知が見れたりして、想像以上に便利だからです。(但し前述のようにウェアラブル端末の場合は、充電切れにお気を付けください)。
電話代(不測の事態での連絡先はだいたい電話・就業案件先で確認電話が求められることも)
これはたまに発生するコストですが、電話代(通話代)が挙げられます。というのは、遅刻や集合場所が現地で分からなかったときなどは、緊急連絡先として先方の電話番号に掛けないといけないからです。そして別のケースとして、就業先の派遣会社などのシステムで、就業前に電話確認が必須ということも稀にあります(筆者は体験しました)。その際にたった数分の電話でも、意外と数百円が掛かってしまうことがあるのです。地味に痛いですよね。
もちろんできるだけ電話しなくて済むように行動するということが考えられますが、電話代を削減することを考えるのも手です。そもそもスキマバイトで寸暇を惜しんで稼いでいるのだから、日々の電話代を削減することは極めて合理的なのかもしれません。
筆者は「楽天モバイル」で電話を使用しているため、これまでにバイト関連の連絡で数千円は節約できているものと思います。よって念のためここに、紹介させていただきます。
【要注意】“スキマバイト貧乏”になってない?都度、収支のチェックを!
スキマバイトは「気軽に働けて、最短即日で現金化できる」ことが大きな魅力です。その日働いた分がすぐ手に入ると、なんとなく「ちゃんと稼げてる気がする」ものですよね。
しかし実は、“働いた分が全然手元に残ってない…”ということも、十分起こり得るのです。たとえば筆者は以前、ポスティングのバイトをしたことがあるのですが、歩き回ってクタクタになったある日、終業後に近くのファミレスで「ご褒美に」と思ってつい飲み食いしてしまった結果…その日の時給のほとんどが吹き飛ばしてしまいました。また勘違いから、時給1100円で1時間の案件に、交通費700円をかけて行ってしまったこともあります。
交通費が全額自己負担だったりシフト時間が2〜3時間と短すぎたりすると、「時給はそれなりに高かったはずなのに、トータルではマイナスじゃん…」ということも。
いずれにしても、無意識に消費してしまうクセがつくと、「スキマ時間で稼げる!」どころかむしろ損することさえあるのです。これには十分気を付けましょう。
さらに言うと、時間や体力・気力は有限です。お金に計上されない大切な自分のリソース(資源)も、しっかりと意識すべきでしょう。
スキマバイトで稼げない主なパターン
- バイト後にコンビニやカフェでつい出費して、毎回稼ぎが消えていく
- 1時間勤務だったが交通費が自己負担で結果的にほぼプラマイゼロ。
- 2時間勤務のために片道1時間かけて通勤してクタクタになっている(時間と労力のコスパが悪い)。
➡︎案件の数はこなしているのに、月末に振り返るとほぼ収入分が残ってない。総じて、余裕がない。
解決策:アプリ外で収支のチェックをしよう!
こうした「スキマバイト貧乏」にならないためにも、こまめな収支チェックが大事です。
おすすめなのは、タイミーなど各アプリの収入画面だけを見るのではなく、自分で簡単な収支メモをつけること(交通費を引くなどした実費は計算してくれないので)。
- 交通費や移動時間
- 純粋な利益(収入-経費)
- その日の飲食代などの関連出費
などをざっくり書き出しておくと、「この仕事は効率よかったな」「これは割に合わなかったな」と見えてきます。
バイトを“やった気”になるだけじゃなく、「ちゃんと稼げてるか」を意識していくことが、生活していく上で重要になるでしょう。
最後に:ADHD当事者として、スキマバイトをやってみてよかった?
それではこの記事の最後に、ADHD傾向の私が実際にスキマバイトをやってみた感想・評価を、ありのままにつづりたいと思います。
結論を一言で述べると、「やってよかったが、目的に合わせてやる必要があると感じました」。以下にその詳細を述べます。
やってよかったか・よくなかったかで言うと、間違いなく「やってよかった」です。
ADHDの人は、得手不得手の度合いが激しい傾向があります。よって普通のバイトや派遣、正社員などでは「ひとたび就職してしまって周りの人間に悪い評価をされたら、取り返しのつかないことになってしまう」という恐怖心を抱いてしまうケースが多いはずです。
そんな時にスキマバイトなら、「一度やってみて、向いてないなら辞めてしまえばいい」「色んな職種にチャレンジして、何とか向いているものを探してみよう」という気持ちを持ちやすいのではないでしょうか。かくいう私がそうでした。このことから、私は「スキマバイトをやってよかった」としみじみと感じるのです。
他方で、「目的に合わせてやる必要がある」ということもまた実感しました。これは端的に言うと、「スキマバイトだけで生計を立てていくことは難しい」ということを意味しています。
それは、次のような理由からです。
- 「スキマバイト」では、月で稼げる金額には上限がある
- 募集を探す手間、新しい職場で覚えるリソース、掛かる交通費に対する労働時間の短さなどの理由で、「コストパフォーマンス」が悪くなる場合がある
つまり、例えば「バイト一本で生計を立てていきたい」場合は、「スキマバイトのみに全集中する」ことは得策とは言えないということです。逆に、「副業で収入を底上げしたい」「色んな職業体験をしてスキルアップしたい」「社会で少しずつ自信をつけたい」などという場合には、スキマバイトはとても適していると言えるでしょう。
ADHD傾向のある方々にも、さまざまな生活事情や状況があることと思います。例えばもともと私は、フルタイムの仕事に馴染めず、継続的な人間関係や決まった場所・時間に通うことを強いストレスを感じてフリーランスに転身しました。しかしある時から、収入が激減。そんなときに見つけたのが、スキマバイトでした。本来、フリーランスとスキマバイトの組み合わせで収入が賄えたらよいのですが、私は収入の大半をスキマバイトで稼がなければならなくなり、まとまった収入を得るために派遣バイトや契約社員・正社員への転職を検討している状況です。よって、「スキマバイトでは収入が足りない」ということを痛感したのでした。しかし、スキマバイトによって人生の新たな扉が開かれたと実感しています。スキマバイトへの挑戦は大げさに言うと、人生において必要なステップだったのでしょう。
このように、個々人で置かれている状況は異なりますので、ご自身の人生設計に合わせてスキマバイトを活用されるのが良いと思います。
この記事のあらゆる項目をぜひ参考にしていただいて、ご自身の人生のプラスになるように動いていただければと思います。あなたの人生がうまくいきますように!
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