ADHD傾向の人は本の仕分けバイトに向いてる?経験者が語るメリット・デメリット

軽作業

私はADHD傾向がありますが、実際に本の仕分けのアルバイト(軽作業)を経験しました。この記事では、私の体験をもとに、ADHD傾向のある人にとってこの仕事が向いているのか向いていないのかを、メリット・デメリットを踏まえて紹介します。

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仕事の概要

本の仕分けバイトとは、製本工場などで、印刷された本を種類ごとに分類したり、並べたり、運んだりする軽作業です。軽作業にカテゴライズされていますが、筆者はパレット(板)や漫画のページの束を運んだりしたので、かなりの肉体労働であると感じました。この点は仕事に就く前のイメージとの大きなギャップでした。ADHDとは直接関係ありませんが、重要な点なので書いておきます。

ちなみに私が経験した現場は「ドラマに出てくるような街の古工場」という雰囲気で、良くも悪くも非現代的な環境でした(詳細は後述します)。

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ADHDの人にとってのメリット

それでは私の実体験をふまえて、ADHD傾向の人が本の仕分け作業をするメリット・デメリットを上げていきたいと思います。

作業が単純である

複雑な判断や多くのステップを要する作業が少なく、基本的なルーティンを覚えれば続けられました。筆者は手先が不器用であることを気にしていましたが、実際の作業では細やかな動きは要求されませんでした(ところが機械にプッシュされて出てきた本とその先の本の間に指を挟まれ、爪を割ってしまいました※危険な環境だったわけではありません)。但し筆者が務めた工場は機械音がうるさく、また非マニュアル的な現場だったため、担当者の指示を聞きとったり真似たりすることが生命線でした。よって仕事に入る際には、現場の環境に慣れることが最も重要かもしれません。

対人折衝が少ない

基本的に与えられた指示のもとで黙々と作業とするので、対人折衝が少ない点は発達障害者にとってストレスが少なく、プラスに作用するのではないかと感じました。但し前述の通り、指示を正確に受け取ることは肝要です。またコンビでの作業もしばしばあったため、完全な個人プレイというわけではなさそうです(余談ですが、本を出荷用に並べる作業をコンビで行っていた際、相方が独自のルールの向きで無言で本を並べている法則性を最後まで理解できなかったというケースがありました)。

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ADHDの人にとってのデメリット

感覚過敏に関する問題

製本の機械がひっきりなしに動いており、常に一定レベルの騒音(耳元である程度大声で話さないと聞き取れないレベル)があります。またインクや紙の匂いが常に漂っています。よって、音や匂いに敏感な人には、長期での勤務が難しい可能性があると感じました。

一定のペースで作業しなければならない問題

コンビでの作業もあり、一応は管理下に置かれているため、規定の休憩時間まで一定のペースで作業をする必要がありそうでした。例えば接客業ではお客さんがいない時間に気を抜いたりできますが、この仕事では一定の集中力が求められるかもしれません。

単調さによる集中力の問題

作業が極めて単調で退屈になりがちです。面白みに欠ける作業が長時間続くため、ADHDの特性上、モチベーションを維持するのが難しい場面もありました。

ADHDが働いて困ったこと

私は経験した職場において、次のようなことで”困った”と感じました。

指示の不明瞭さ

指示があまりにも不明瞭だったため、何度か作業内容に文句をつけられました。これは、現場の環境に拠るところが大きいでしょう。機械音がうるさく職員さんの声が聞き取りにくいかもしれませんが、安全の面からも、わからないことは積極的に質問するようにしましょう。

パワハラ気質のスタッフの存在

工場の中にパワハラ気質の人が一人居て、暴言のような口調で指示されました。またその他にも言動が芳しくない人が見受けられたので、筆者が勤めた現場はあまり好ましくない環境だったのかもしれません。ADHDなどの人たちにはしばしば、対人折衝でのトラウマや嫌な感情を強く意識してしまうケースがあると言います。筆者は深刻な問題には至りませんでしたが、工場の労働環境におけるコミュニケーションという点で、ミスマッチが起こる可能性を予期しました。但し、これは現場の環境によって全く異なるものだと思いますので、そこまで気にする必要はないとも思います。

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本の仕分けバイトに向いている人・向いていない人

向いている人

  • 対人折衝が苦手な人
  • シンプルな作業を好む人
  • 静かに黙々と作業したい人

向いていない人

  • 音や匂いに敏感な人
  • 細かい物の配置などが著しく苦手な人
  • 退屈な作業が大嫌いな人
  • 肉体労働が著しく苦手な人

結論:個人の特性に大きく依存する

ADHD傾向のある人にとって、本の仕分けバイトは対人折衝や複雑な作業が少ない点で向いている可能性があると感じました。他方で感覚過敏がある方や、単調な作業が大いに苦手という方にはやや厳しい面もあります。

ADHDの特性は個人によって大きく異なり、また作業現場にとって労働環境は大きく異なります。よって、この記事で挙げた点が全ての人のケースに当てはまるわけではありません。自分自身の特性を理解した上で、職場の環境や作業内容を事前に確認・想定し、恐れ過ぎずに考えることが重要ではないでしょうか。

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筆者のおすすめ度:★★★☆☆(5段階中3)

筆者は大半の作業を問題なく行うことができました。片や環境を振り返ってみるとメリットとデメリットが拮抗しており、個人の特性によって向き不向きが分かれると感じます。しかし、百聞は一見に如かずです。著しく不向きだと感じていないのであれば、一度挑戦してみても良いのかもしれません。

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